日本版DBS研修|講師3人でもできる!小規模事業者の実施方法と記録の残し方
「研修って、具体的に何を教えればいいの?」 「講師が3人しかいないのに、研修なんてどうやるの?」 「外部に頼むと高そうだし……自分たちだけでできる?」
特に、講師2〜3人の個人ピアノ教室や小規模学習塾の経営者様にとって、「研修」という言葉のハードルは想像以上に高いのではないでしょうか。正直、「大企業みたいに会議室借りて、外部講師呼んで……なんて無理だよ」と思いますよね。
でも、ご安心ください。研修は、立派な会議室も外部講師もなくても実施することはできます。
この記事では、ガイドライン案(2025年12月26日公表)をもとに、小規模事業者でも無理なく実施できる研修の具体的な進め方をお伝えします。
認定準備の全体像は下記記事をご参考にしてください。
【2026年最新】日本版DBS認定申請の手続き完全ガイド|必要書類・手数料・審査期間を徹底解説
【結論】研修のハードルは、思っているより低い
最初に結論からお伝えします。
小規模事業者でも、研修は実施できます。
- 国が無料の研修動画を提供予定(2026年度中公表)
- 大人数を集める必要はなく、個人単位での受講も可能
- 「研修」という形式にこだわらなくても、ミーティングでの議論も有効
ただし、「動画を見せて終わり」はNG。座学と演習の両方が必要ですし、記録を残さないと認定申請が通りません。
「どうやればいいか」の具体的な方法を、これから解説していきます。
小規模事業者が研修を実施する3つの方法
「うちみたいな小さな教室で、どうやって研修するの?」——ここが本記事のキモです。
ガイドライン案では、研修方法として3つの選択肢が示されています。まずは全体像から。

①こども家庭庁の動画を活用する
小規模事業者の基本となる方法です。
こども家庭庁が2026年度中に研修動画を公表予定。無料で使えて、専門知識がなくても動画を見るだけで座学が完了します。個人単位で受講できるので、シフトが合わなくても大丈夫。
ただし、落とし穴もあります。
- 現時点では未公開——公表時期は「2026年度中」としか分かっていない
- 動画の内容は汎用的——自教室の実情に合わせた補足説明は自分たちでやる必要がある
- 「動画を見せて終わり」はNG——演習パートは別途実施が必要
動画はあくまで「座学の土台」。これだけで研修が完結するわけではない、という点は押さえておいてください。
②自社で独自研修を実施する
経営者自身が講師役を務めて、ガイドラインに示された内容を教える方法です。
最大のメリットは、自教室の実情に合わせた内容にできること。「うちの教室ではここまでがOK、ここからはNG」といったグレーゾーンの議論ができるのは、独自研修ならでは。
ただし、こちらも注意点があります。
- 経営者自身がガイドライン案を正確に理解している必要がある——法律の読み解きは意外と難しい
- ガイドライン案では「外部有識者による監修が望ましい」とされている——自己流でやると要件を満たさないリスク
- 演習プログラムを自前で作るのは大変——「何をどこまでやればOKか」の判断が難しい
「自分たちでやったつもりが、実は要件を満たしていなかった」——認定申請の段階でこれが発覚すると、かなり痛いです。
③外部専門家に委託する
専門家を招いて研修を実施する方法。法律やガイドラインに基づいた正確な研修ができ、第三者が話すことで従業員の納得度も高まります。
費用はかかりますが、「ガイドラインの要件を確実に満たしているか」を気にしなくていいのは大きなメリット。経営者の準備負担も大幅に減ります。研修だけの単発依頼よりも、対処規程の作成などとセットで依頼するほうがコスパがいいケースが多いですね。
結局どれがベスト?
コストを抑えるなら、①と②の組み合わせが現実的です。
こども家庭庁の動画で基礎知識をカバーし、自教室のルールや具体的な場面については経営者が補足・議論する「ハイブリッド型」ですね。
ただし、①②だけで進める場合は、以下のリスクがあることを理解しておいてください。
- 動画がいつ公表されるか分からない(施行直前に慌てる可能性)
- 自教室向けの補足や演習プログラムを自力で作る必要がある
- 「要件を満たしているか」の判断は自己責任
「確実に認定を取りたい」「準備に時間をかけられない」という場合は、③の外部委託も選択肢に入れておくことをおすすめします。
「うちの場合、どの方法がいいの?」——迷ったら無料相談をご活用ください。状況に合わせた進め方をご提案します。
\ ご相談・お見積りは無料です /
研修で教えるべき5つの必須テーマ

ガイドライン案では研修事項として8項目が列挙されていますが、正直そのまま読んでも「結局何を教えればいいの?」となりがち。
ここでは実務で使いやすい5つのテーマに整理しました。
| テーマ | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| ①こどもの権利と性暴力の構造 | 子どもは権利の主体であること、性暴力が起こる背景 | 「うちは大丈夫」という思い込みを外す |
| ②性暴力・不適切な行為の定義 | 何がダメなのか、グレーゾーンの判断基準 | 業種・年齢によって線引きが異なる |
| ③早期発見のポイント | 日常観察、面談、アンケートの活用法 | 子どもは自分から言い出せないことが多い |
| ④相談を受けたときの対応 | 傾聴の仕方、報告ルート、二次被害の防止 | 「疑い」の段階で速やかに報告 |
| ⑤犯罪事実確認と情報管理 | 手続きの全体像、情報の取扱いルール | 従事者の不安・抵抗感を軽減する |
①こどもの権利と性暴力の構造
研修の土台となるテーマです。「子どもは権利の主体であり、性暴力からの保護は大人の責任」という認識を全員で共有するところから始まります。
ガイドライン案は「性暴力はどこでも起こり得る」との意識を持つことが重要だと明記しています。「うちの教室は大丈夫」——そう思いたい気持ちは分かりますが、この認識を外すことが研修のスタート地点です。
②性暴力・不適切な行為の定義
「何がダメなのか」を全員が正確に理解するためのテーマです。私的なSNS交換、不必要な身体接触、業務外の個別面会などが具体例として挙げられています。
ただし、同じ行為でも業種や対象児童の年齢によって判断が変わるのが難しいところ。ピアノ教室での手の添え方と、スポーツ教室での身体接触は当然違いますよね。だからこそ「うちではどこまでがOKか」を研修で議論することが大切なんです。
「不適切な行為」の具体例は、下記の記事で詳しく解説しています。
日本版DBS「児童対象性暴力等対処規程」の作り方|不適切な行為の判断基準から労務管理まで完全解説
③早期発見のポイント
性暴力やその兆候を見逃さない目を養うテーマです。子どもは被害を受けていても自分から言い出せないことがほとんど。「いつもと違う様子」に気づける観察力を、研修を通じて全員で身につけていきます。
④相談を受けたときの対応
「もし子どもや保護者から相談を受けたら、何をすべきか」を学ぶテーマです。特に重要なのが、「疑い」の段階で自分で判断せず、速やかに報告すること。小規模事業者の場合、報告先が経営者自身になることも多いですが、だからこそルールを事前に決めておくべきですね。
⑤犯罪事実確認と情報管理
日本版DBSの手続き面を理解するテーマです。従事者自身が「なぜこの手続きが必要なのか」を理解していれば、不安や抵抗感も軽減されます。
座学だけではダメ——「演習」が必須
ここ、見落としがちなポイントです。
ガイドライン案は、研修を座学と演習の組合せで行うことを求めています。知識を学ぶだけでなく、「子どもから相談を受けた場面」のロールプレイなど、自分ごととして実践する演習が必須です。
座学と演習は別日でもOKですが、いずれも業務に従事する前に完了させる必要があります。
研修の記録と証拠の残し方

記録がなければ「やってない」のと同じ
「研修やったよ」と口で言うだけでは、認定申請時に通用しません。認定申請時には、研修の受講を証する書類の提出が求められます。
また、定期報告や監査の際にも記録が必要ですし、万が一トラブルが起きたときには「適切な研修を実施していた」ことを証明する証拠にもなります。
記録すべき5つの項目
研修を実施したら、最低限これだけは記録してください。
- 実施日時——いつやったか
- 参加者名——誰が受講したか(署名があるとベター)
- 研修内容——何を教えたか(テーマ、使用教材)
- 研修方法——標準動画視聴、独自研修、外部委託など
- 理解度の確認——小テスト、感想提出、ディスカッション参加など
小規模事業者向け・かんたん記録テンプレート
A4用紙1枚で済むシンプルなフォーマットで十分です。
| 項目 | 記載内容 |
|---|---|
| 実施日 | 2026年○月○日(○:00~○:00) |
| 実施場所 | ○○教室 / オンライン |
| 研修方法 | □標準研修(動画視聴) □要点研修 □独自研修 □外部委託 |
| 研修テーマ | (例)こどもの権利と性暴力防止の基礎 |
| 使用教材 | (例)こども家庭庁標準動画、自社対処規程 |
| 参加者 | 氏名(署名欄) |
| 理解度確認 | □感想提出 □小テスト □ディスカッション参加 |
| 備考 | (次回の改善点など) |
記録は認定期間中は保管が必要。紙でもデータでも構いませんが、データでバックアップを取っておくと安心です。
よくある質問
Q:動画を見せるだけでもいい?
A:座学パートはOKですが、演習パートも必須。「動画を見せて終わり」はNGです。
Q:研修の頻度は?
A:新規採用時(業務従事前)の初回研修と、年1回程度の定期研修が現実的です。
Q:研修時間は労働時間に含まれる?
A:はい、含まれます。パート・アルバイトにも研修時間分の給与を払う必要があります。
Q:研修は誰が講師をやる?
A:小規模事業者なら経営者自身が現実的。ただし、ガイドライン案では外部有識者の監修が望ましいとされています。
Q:研修動画はいつ公開される?
A:2026年度中に公表予定。現時点では未公開です。
Q:外部委託の費用は?
A:委託先によってピンキリ。対処規程作成とセットで依頼するほうがコスパがいいケースが多いです。
なぜ「研修」が認定の必須要件なのか
研修なしでは認定を受けられない
結論から言います。研修を実施していない事業者は、認定を受けられません。
こども性暴力防止法は、児童対象性暴力等の防止に関する研修を従事者に受講させることを義務付けています。これは努力義務ではなく、認定基準そのもの。認定申請時には研修の受講を証する書類の提出が求められます。
研修をサボったらどうなる?
認定後に研修を怠った場合のリスクは深刻です。
- 認定の取消し——安全確保措置を講じていないと判断されれば取り消される
- 取消しの公表——保護者や社会からの信頼を一気に失う
- 監督の対象——年1回の定期報告、必要に応じて立入検査も
認定を受けることの責任の重さについてはこちらの記事で解説しています。
【注意】日本版DBSの「認定」、安易に受けると危険かも? 事業者が背負う“重すぎる”責任とデメリットを徹底解説
研修と「事前説明」は別物
よくある誤解を解いておきます。「従業員に制度のことを説明したから、研修は済んだ」——これは間違いです。
事前説明は制度の周知、研修は性暴力防止について体系的に学ぶもの。目的も内容もまったく違うので、両方やる必要があります。
研修と「従業員への事前説明」は別物です。事前説明についてはこちらをご参考にしてください。
日本版DBS認定取得、その前に。従業員への説明を軽視すると起こる3つのトラブル
「自分たちだけでは難しい」と感じたら
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
「内容はわかった。でも、これ全部自分たちでやるの……?」
そう思われた方も少なくないのではないでしょうか。
研修の準備には、法律やガイドライン案の正確な理解が必要です。演習プログラムの設計も、初めてだと何から手をつけていいやら。特に小規模事業者の場合、経営者が日常業務を回しながら研修準備まで——正直、かなりキツいですよね。
私たち「このはのこ」は、そんな事業者様をサポートするために存在しています。
行政書士と社会保険労務士のダブルライセンスだから、規程作成から労務対応まで一気通貫でお手伝いできます。
- 研修計画の策定——ガイドライン案に準拠した研修計画書の作成
- 研修教材の作成支援——自教室の実情に合わせた研修資料
- 研修の実施サポート——外部専門家として法的解説や質疑対応
- 記録テンプレートの提供——認定申請に対応したフォーマット
対処規程、情報管理規程、就業規則の見直し、認定申請までワンストップで対応可能です。
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